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梅毒

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梅毒とは

梅毒とは

梅毒とは細菌の一種である「梅毒トレポネーマ」への感染が原因で起こる疾患です。かつては有効な治療薬がなく「不治の病」とされていましたが、治療薬であるペニシリンが発見されたことで完治が見込める疾患となりました。ペニシリンの普及によってその発生は激減し、日本では「希少疾患」とされるほど症例の少ない疾患となっていました。
しかし、近年では世界的に増加傾向にあり、日本国内においても症例が増えつつあります。「昔の病気」と思わずに、きちんと治療・予防することが大切です。

症状

梅毒は時間をかけて徐々に進行します。進行度によって下記の4期に分類されます。

第1期(感染後3~6週間程度)

潜伏期間を経て症状が現れるようになった状態です。下記の症状が現れますが、数週間から1か月程度で自然に消えてしまうので、症状に気がつかないことも多いです。

  • 性器周辺の腫れやしこり
  • 太ももの付け根の腫れ
  • 全身の赤い発疹
  • など

第2期(感染後3か月程度)

血液を介して感染が全身に広がった状態です。全身にさまざまな症状が現れます。

  • 全身に痛みのないピンク色の発疹が生じる(バラ疹)
  • 頭皮の一部、あるいは全身の毛が抜ける(梅毒性脱毛)
  • 性器周辺や肛門に扁平状のイボができる(扁平コンジローマ)
  • 皮膚の一部が白くなる(梅毒性白斑)
  • 手足の爪の周囲が赤く腫れあがる(梅毒性爪炎・爪囲炎)
  • 口腔内に赤い、あるいは乳白色の炎症が起きる(梅毒性粘膜疹)
  • など

第3期(感染後3年程度)

症状が後期に入った状態です。皮膚や粘膜だけではなく、骨や筋肉、内臓など体内にも影響が現れます。

  • 全身に腫瘍や大きめのしこりができる(結節性梅毒疹、ゴム腫)

第4期(感染後10年程度)

末期症状が現れるようになった状態です。この段階まで進行すると日常生活が困難になり、やがて死に至る可能性もあります。

  • 心臓や脳、神経に病変が生じる

感染経路

梅毒トレポネーマは感染者の皮膚や粘膜、体液などに含まれ、それらとの粘膜接触によって感染します。性行為による感染が多く、とくにアナルセックスによる感染が多く報告されています。

なお、口腔内に梅毒による病変(梅毒性粘膜疹など)があると、キスなどでも感染する可能性があります。

潜伏期間

3~6週間

※潜伏期間を過ぎると第1期の症状が現れます

診断・検査

問診で症状や感染機会について詳しく伺い、必要に応じて血液検査を行います。

診断・検査

治療

抗菌薬の内服によって治療します。内服の期間は進行度によって異なりますが、以下を目安にしてください。治療が済んだ後は再度検査を受け、きちんと治っていることを確認するようにしましょう。近年、日本でも認可が降りた抗菌薬の筋肉注射も当院では取り扱いがございます。

  • 第1期…2~4週間程度
  • 第2期…4~8程度

※薬剤投与後に体の痛みや発熱などが生じることもあります。これらは一時的なもので、お薬が効いている証拠ですので心配しないでください。解熱剤鎮痛剤を使用しても大丈夫です。あまりにも症状がひどい、長引く場合にはすぐにご相談ください。

梅毒の注意点

かつては死に至る病とされた梅毒ですが、現在では適切な治療を行うことで十分に完治が見込める疾患になっています。しかし、梅毒は治せても梅毒によって傷ついた組織は元に戻らないこともあります。病期によっては症状がない、すぐに消えることもありますが、決して治ったわけではありませんので、早めに治療を受けてきちんと治すことが重要です。