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性病の感染経路一覧

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性感染症(STD)とは

性感染症(STD)とは

「性感染症(STD:Sexually Transmitted Disease)」は、主に性行為によって感染する疾患の総称です。性感染症はセックスによる性器同士の接触だけでなく、口や肛門などの粘膜接触(オーラルセックス)によっても感染することがあります。性器周辺だけでなく、のどや全身に症状が現れることもあるため、性器以外への感染にも注意が必要です。
個人差がありますが、性感染症には自覚症状がないことも多く、そのほとんどは自然治癒しません。そのため、いつの間にか感染し、知らない間に感染を広げている可能性があるのです。性感染症には不特定多数との性行為によって感染するイメージがありますが、たった一度の性行為やオーラルセックスでも感染する可能性はゼロではありません。誰でも性感染症のリスクを抱えているということを忘れないようにしましょう。

性病と性感染症の違い

「性病」と「性感染症」は、一般的にはほぼ同義の言葉として使われていますが、厳密には対象とする疾患の範囲が異なります。専門家でもない限り両方の違いを気にする必要はありませんが、参考までにそれぞれの違いについてご説明します。

性病

昭和に制定された「性病予防法」で決められた梅毒、淋病、軟性下疳、性病性リンパ肉芽腫の4つの疾患を指します。

※性病予防法は平成12年に廃止されています

性感染症(STD、STI)

性行為によって感染するあらゆる疾患を指します。「STD:Sexually Transmitted Disease」あるいは「STI:Sexually Transmitted Infection」と表記されることもあります。

性感染症の感染経路

性行為(性的行為)による感染

性感染症の感染経路として最も多いのが性行為による感染です。「性行為によって感染する」と言っても、感染のリスクがある行為は多岐にわたります。性器同士の接触はもちろん、フェラチオやクンニリングスなどのオーラルセックスや、アナルセックスなどでも感染します。

また、口内やのどに症状があればキスだけでも感染のリスクは存在します。「性的行為全般」が感染リスクを抱えていると言ってよいでしょう。

性感染症の予防策としてはコンドームの装着が基本となりますが、性感染症の病原体は性器周辺をはじめとしたさまざまな部位に潜んでいます。症例によってはコンドームを装着しても完全に防げないこともあるので注意してください。

血液感染

かつて集団予防接種時の注射針の使いまわしによってB型肝炎ウイルスが蔓延したことがありました。現在の医療現場で医療器具の使いまわしをすることはありませんが、違法薬物注射の回し打ち、不衛生な環境での入れ墨・ピアスなどは、性感染症の血液感染を起こすリスクを抱えています。
また、皮膚同士の接触では感染しなくても、傷口を舐める、傷口と性器が触れ合うなどの行為で血液感染を起こすことがあります。とくに生理中の性行為はご自身もお相手も感染のリスクが高まりますので、おすすめできません。

注射針

母子感染

性感染症の多くは自然治癒せず、症状がなくても病原体は体の中に潜んだままです。その状態での妊娠・出産は、母子感染を起こすリスクを抱えています。母子感染のケースとしては主に以下の3つが存在します。生まれてくる赤ちゃんのためにも、妊娠・出産前にきちんと治療を受けるようにしてください。

母子感染の種類
  • 胎内感染…お腹の中で感染する
  • 産道感染…分娩時に赤ちゃんが産道を通る時に感染する
  • 母乳感染…母乳を介して感染する

日常生活での感染

性感染症の病原体の中には人体を離れてもしばらくの間生存するものもあります。そのため、便座や浴槽、体を拭いたタオル、使用した食器類を介して性感染症に感染する可能性もゼロとは言えません。状況によっては公衆浴場やプールで感染する可能性もあります。

性行為による感染に比べるとごく稀なケースではありますが、こうした状況下では性交経験がなくても感染のリスクが存在しますので、ご自身を取り巻く環境にもご注意ください。